PDF編集を無料でする:どこまで直せて、どこから無理か
PDF編集を無料でしたいとき、Wordのように自由に書き換えられると思っている方は少なくありません。実際にはPDFは性質が違うファイルです。できる範囲とできない範囲を先に知っておくと、無駄な作業をぐっと減らせます。この記事では、その見分け方と手順をまとめます。
PDF編集が無料でも、文書の編集とは違う理由
PDFは、文章が自動で流れ込む文書ではなく、すでに仕上がったページを収めたファイルです。文字ひとつひとつの位置が決まっているので、1行長く書いても下の段落が自然に押し下げられることはありません。そのため、無料のPDFエディタは元の文字を覆い隠し、その上に新しい文字を描く仕組みで動きます。
この方法は、小さな直しにとてもよく合います。自分で発行した見積書の日付、価格表の金額、案内状に載っている電話番号の誤りなど、1行か2行を変える作業です。逆に、ページ全体のレイアウトを作り直す作業には向きません。この違いを理解してから始めると、どの方法を選ぶべきかがすぐ決まります。
PDFエディタでできること一覧
既存の文字を書き換えるほかにも、ページの上に足せるものがいくつかあります。新しい文字の行を標準か太字で置けますし、薄い黄色の下地のメモも貼れます。マーカーで行に色を付けても、下の文字はそのまま読めます。
マウスや指での手書きに加えて、四角・円・線・矢印も描けます。ロゴや印影のPNG・JPEG・WebP・GIFを置いたり、署名を手書き・入力・写真のいずれかで作って好きな位置に配置したりもできます。足したものは、保存する前ならいつでも動かし、大きさを変え、取り消し、削除できます。
PDFの文字を修正する手順
ここに書いたボタン名は、ツールの画面に出る表記と同じです。
- 「ファイルを選ぶ」を押すか、PDFをページにドロップします。ツールバーの下に、各ページが縦に並んで表示されます。
- 元の文章を直すときは「本文を修正」を選び、段落をクリックします。同じ大きさと色の枠が開くので、新しい文章を入力して枠の外を押します。
- 新しく足すときは「文字を追加」「メモ」「マーカー」「ペン」「図形」「画像を追加」から選び、ページ上をクリックかドラッグします。
- 隠したい所は「塗りつぶし」で覆います。「選択・移動」に切り替えれば、枠や画像を動かしたり、角の点で大きさを整えたりできます。
- 間違えたら「元に戻す」と「やり直し」で1つずつ調整し、不要な項目は選んで「削除」を押します。
- 最後に「PDFを保存」を押してから「ダウンロード」を押します。保存名は元のファイル名に -edited が付くので、元のPDFはそのまま残ります。
PDFの文字修正をきれいに仕上げるコツ
新しく書く文章は、元の文字数に近い長さにそろえるのが安全です。枠は同じ大きさと色で開くため見た目はなじみますが、文章が倍の長さになると、周りの行にはみ出します。ほかの文字が自動で動いてはくれないからです。短くするか、2回に分けて直してください。
見出しや表の1マスは、それぞれ独立したブロックとして扱われます。1マスを直しても隣のマスには影響しません。最初の1か所を直したら拡大表示にして、周りの文字と並べて違和感がないか確かめましょう。ずれて見えるなら、元に戻して調整してから残りを進めるのが確実です。
覆った文字は、消えたわけではありません
いちばん大事な注意点です。文字を面で覆っても、元の文字はファイルの中に残っています。ページから文字をコピーしたり検索したりすると、隠したはずの内容が出てくる場合があります。誤字の訂正なら問題になりません。
けれども口座番号、住所、健康に関する情報のように、本当に見えてはいけないものは話が別です。その場合は、印を付けたページを1枚の画像に置き換える「PDF 個人情報の墨消し」を使ってください。この作業は最後に行い、終わったら文字を選択してみて、読み取れないことを確かめると安心です。
元のファイルを直したほうがよい場面
PDFのもとになったWord、Excel、PowerPointのファイルが手元にあるなら、そちらを直して書き出し直すほうがずっと楽です。文章は自動で流れ、ページ番号や表の幅もまとめて整います。元ファイルがない、他の人が作った、直すのが1行だけ、という場合にこそ、PDFを直接編集する価値があります。
目安として、1ページで直す行が数行を超える、またはレイアウトを変えるなら、元ファイルに戻りましょう。日付、金額、名前、印影、署名のような小さな部分なら、PDFのまま直して問題ありません。
始める前に知っておきたい制限
縦書きや斜めの文字は、その場では書き換えられません。パスワードがかかったファイルは、先に「PDF のパスワードを解除」で開く必要があります。フォントの都合で文字を取り出せない行は、ページの画像から文字認識で読み取って印が付くので、その行だけは目で確かめてください。
変更は保存するまで開いているページの中にしかなく、タブを閉じると消えます。ファイルはアップロードされずブラウザの中だけで処理され、登録も透かしも料金もありません。とても大きなファイルは端末の性能に左右されるため、スマートフォンよりパソコンのほうが余裕があります。
よくある質問
PDF編集は無料でも、透かしは入りませんか。
入りません。料金も登録も不要で、編集はブラウザの中で行われるので、ファイルがサーバーに送られることもありません。
すでにある文字も書き換えられますか。
できます。「本文を修正」を選んで段落をクリックし、新しい文章を入力します。ただし縦書きや斜めの文字はその場で直せず、長い文章に替えると手で整える必要が出る場合があります。
塗りつぶしで覆えば、文字は完全に消えますか。
消えません。面は文字を隠すだけでファイルから取り除かないため、コピーや検索で出てくることがあります。大事な情報には「PDF 個人情報の墨消し」を使ってください。
スマートフォンでもPDFを編集できますか。
ブラウザで使えて、ペンは指でも描けます。ただし細かい文字の位置合わせは大きな画面のほうが楽で、大きなファイルは端末の性能に左右されます。
PDFを直すか、元のWordファイルを直すか、どう決めますか。
元ファイルがあり、直す量が多い、または配置が変わるなら元ファイルです。1、2行の訂正、印影、メモ、署名ならPDFで直接直すほうが早く済みます。